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第1話

 バイトへ向かう和哉。
 アパート近くの四つ角で、靴を整える美涼。
 車が向かってくる。
 美涼の右手から車が向かってくる。
和哉「危ない!」
 美涼の右手を引く和哉。
 反動で地面に座り込む和哉と美涼。
和哉「この辺車結構スピード出すから」
 言いながら固まる和哉。美涼の死を見る。
美涼「ありがとう。引っ越してきたばかりで」
 立ち上がる美涼。
 続いてはっとしたように立ちあがる和哉。
和哉「あの」
 首を傾ける美涼。
和哉「行かないでください」
美涼「え?」
和哉「どこか行くんですよね。行ったら……あんたは死にます。俺にはそうゆうの見えるから」
 眉を顰める美涼。
 思わず顔を逸らして唇を噛む和哉。
 逡巡する美涼。
美涼「分かった。行かない」
 ぽかんと口を開ける和哉。
美涼「信じたわけじゃないけど、その顔に嘘はないと思うから」
 言葉が出てこない和哉。
美涼「じゃあね」
 踵を返す美涼。
 見送る和哉。

 アパートに戻る途中の美涼、友人に電話をかける。
美涼「ごめんねー」
友人の声「別にいいけど、今度埋め合わせしてよ」
美涼「するする。奢る」

 夜、美涼の部屋。
 クッションに座る美涼、本を捲る。
 目の前のテーブルに置いたスマートフォンに友人から着信が入る。
 美涼、出る。
美涼「はい」
友人の声「美涼ニュース見た!もーびっくりしたよ!」
美涼「何のニュース?」
友人の声「通りで事故があったの!お店の近くじゃん!美涼がドタキャンしてくれてよかったよ。これが不幸中の幸いってやつ」
 通話が終わり、美涼はスマートフォンをテーブルに置く。
美涼(助かっ、た? でも)

 風呂上がりの和哉。
和哉(あの人どうなっただろ? でも)

和哉・美涼(もう二度と会わないか)
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真崎 束音
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非公開

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